登場人物 |
★キヨP
神奈川県川◯店店長。当時42歳。野口五郎に似た、わりとハンサム店長。ギターを弾かせたらなかなかのものだ。基本的にはまじめな人。よくしゃべりはするが、大声は出さないタイプ。 |
★ギター修理のお客様
流しのような風貌。普段は何をしてるか知らない。僕はあの店にいた3年間で2回しか見たことないけど、インパクトは抜群のキャラ。 |
キヨP 「いや~まつやクン、ボクはカンペキだからさ~♪」
こんな言葉を店長からよく聞いた。
完璧な人間って?いったいどんなだろう?
なんたってこの店のあるじになるような人間のお言葉だ。
これからの人生においての重要な指針になるかもしれないと、僕は店長をしっかり観察することにした。
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とある日の昼下がり。
とってものどかな時間帯にそのお客様は来店した。
(だいたいの事件は昼下がりにおきます♪)
カウボーイハットにサングラス、ロンブーとまではいかないがかなり派手なブーツ。
西部劇にエキストラ出演してれば違和感はないのだろうが、街なかで見たら避けて通りたくなるんだろうなこりゃ。
手にはヤマハのフォークギターを持っている。しかもケースに入れず裸で持ってきている。
別にお客様を値踏みするわけではないが、持っている楽器の値段によって緊張感が変わってしまうのは人間の悪い癖かもしれない。
彼はキヨPのもとに行き、ギターの調子が悪いので、修理してほしいと頼んでいた。
どのように悪いのか細かに聞いてみる。修理のためには必要な手順だ。
でもそのお客様はギターのことなどてんでお分かりになっていないらしく、あれやこれや質問してもピント外れの答えばかり。
楽器の状態を理解しなければ修理などできっこない。キヨPもかなり困惑していた。
時間だけがむなしく過ぎていく。
と、お客様はふいにイスから立ち上がり、
片足をイスの上に乗せ、
人差し指を宙に立てて
このようにおっしゃった。
お客様 「あんたさぁ~、これ、修理する
自信あんの~??」
自分を完璧と思ってる人間に対して、これ以上の侮辱はない。
キヨPは顔を真っ赤にして、かろうじて、本当にかろうじて怒りを抑えながら
「ええ、ええ、ええ、
自信はありますっ!!」
…いったい何のコントだこいつら?
それから店長ったら、僕が夕方帰るまで修理部屋から出てこなかった。
次回第3話もお楽しみに!!