これから何回かにわたってあの栄光のポックリン川崎店の”伝説”をお届けしよう。
登場人物
★まつやかづら(松屋 一裸):通称まっつー。
当時36歳 基本はオネエ言葉。とってもいい人なのだが、その正義感の強さゆえにキレやすいため彼女ができない。
★神奈川県川崎市の高校生:名前は知らない。
服装はいまどきのデレデレ系な感じ。顔は本気を出せば二枚目なんだろうに。あごは常に上げ気味。
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とある平日の昼下がり。僕らはお昼ご飯も食べ終わり、少々眠くなる時間帯であった。
学生が授業を終えて押し寄せる時間には少〜し早いのだが、なぜかこんな時間にいる意味不明な学生がひとりふたりはいるもんだ。
授業はどうしたんだろう。大丈夫かね?とどんな人間に対しても一応将来の心配を
してあげるのがまっつーのよいところ。
でもその心配とは全く別に、見かけでその人物を判定し直す。
「あんなのにロックが分かるわけないでしょっ!」
と小声で悪態をつく。へたすると本人にまる聞こえなんだが。
と、その高校生がレジに向かってやってきた。
どんなお客様であろうと最初は笑顔で接客してあげるのがまっつーのよいところ。
まっつー「いらっしゃいませ~」(めっちゃ笑顔)
高校生「ゆうわく。」
…絶句するまっつー。
高校生 再度「ゆーわく。」(あごあげてね)
まっつー 「は…」
語尾の上がる は? ではない。
低く平坦なイントネーションの は… だ。
高校生「ぐれい。 ぐれい。」
2度繰り返した。念押しってやつか?
ここでおでこにイカリマークを浮かべながらも必死で相手を理解しようとするのが
まっつーのよいところ。
まっつー「GLAYの誘惑という曲の楽譜をお探しということですね~?」
無言でうなづく高校生。
たしかそのときは誘惑の楽譜は発売前だったんで、丁重に追っ払ったと思う。
その状況があまりにショッキングだったので、後のことは全く記憶に無いのだ。
だがそれ以来、彼のその口調はまっつーの口癖にまで発展する。
●目の前で荷物が崩れると
「ゆうわくー!」
●店長が何かヘマをやらかすと
「店長ゆうわくだよー!」
てな感じ。
あ、そういえば変な客からの電話切るときもそうつぶやいてったっけ。
ちなみにこのお話からはじめないと、次回からの会話がわけわからなくなるため、第1回としました。