みなし残業は違法ではない！しかしその実態は

みなし残業とは「固定残業代」のことで、企業が一定時間の残業を想定し、残業代をあらかじめ月給に残業代を固定で記載して支払う制度の事で、残業時間を計算することなく毎月固定分の残業代を支払うことになります。

法律上は「みなし労働時間制」と呼び、きちんと計算されたみなし残業代であれば決して違法ではありません。

給料は、残業代込みで計算されて支払われますし、みなし残業代の時間分は必ず残業しないということはありません。
仕事をちゃんと終えることが出来れば定時で帰れますし、しっかりみなし残業代を含んだ給料が払われるのです。

会社側としては細かく労働時間を管理しなくて済みます。

なんという素晴らしいシステムなんでしょう。

みなし残業制度のメリットとデメリットをまとめてみました。

	働く側	会社側
メリット	残業をしなくても残業代がもらえる	細かい労働時間の計算から解放される
デメリット	・みなし残業の分固定給が低い ・みなし残業代がないと周りの会社の給与水準より低い ・みなし分は働かなければいけない空気になり、定時退社しにくい	社員が定時で帰っても残業代を支払わなくてはいけない

働く側のデメリットが多くて、会社側のデメリットは少ないことがわかります。

みなし残業の現実

そう。理想でいうとみなし残業はいいシステムなんです。
でも、現実はどうでしょう。

あなたの会社は定時で帰れる雰囲気ですか？
定時で帰るのは基本OKですが、その後、評価や査定に響くようなウラがあったりしませんか？
まず、上司よりも同僚が「あいつ、みなし残業代もらっているくせに、いつも定時で帰りやがって」という空気を出します。
その噂が上司の耳に入ります。

そしてその上司は、現場やあなたの仕事の中身を見もせずに「あいつは、いつも定時で帰る給料泥棒だ」と勝手に決めつけてしまうのです。
これが日本の会社の実情。

そうなんです！
だから従業員からしてみれば「1日2時間残業しても定時で上がるのと給料は全く変わらない」のですよ！
帰れないということはそれだけ給料が下がっていく、ということになります。

みなし残業が損をする具体的な理由

僕が今いる会社もみなし残業制度を利用しています。
内容は「月40時間までをみなし残業とし、基本給に上乗せして支払います」というもの。
つまり、1日2時間を毎日残業しても、1ヶ月に10分間だけ残業しても、もらえる給料に変わりはありません。
どんどん定時で帰ってもいいよ！という雰囲気なら問題ありません。自分の仕事を効率化すればいい話です。

でも「みなし」ってことは残らなきゃだめだぞ的な、薄〜い脅しが含まれてませんか？

今の職場は仮に40時間を超えた場合は残業代をプラスしてくれますが、以前いたブラック企業に関しては「みなし残業代のみ」の支給で、みんな終電まで残って仕事をし、休日出勤もサービス残業でしたから。
みなし残業の上限を超えて働いて、しかも1円ももらえないっていう。

詳しくはこちらの「僕が転職したブラック企業の実態」をどうぞ。

みなし残業の問題点

僕が納得できない点があります。

その1：
定時が18時として、毎日20時まで残業するのを前提としますよというのは考え方が乱暴です。
会社によってはみなし残業時間が「30時間」とか「45時間」、会社によっては「60時間」なんてところもあったりして。

…みなし残業60時間って完全にブラック！
こんな会社が定時で上がれるわけがないです。

その2：
みなし残業を理由に基本給を低めに設定する企業が多く、つまりそれは「労働単価」が下げられていることになります。
それは基本給をベースとしたボーナスにも影響してきますし、みなしを超えた残業代の「単価」も低いということなんです。

実際にどれだけ損するか計算してみた

【ボーナス】
「基本給16万円」の会社Aと「基本給12万＋みなし残業代4万円」の会社B
どちらも給料は16万円です。

でも比較すると「基本給」が低いため、ボーナスの計算に影響が出ます。
例えばボーナス支給額が「2か月分」として
基本給に基づいてボーナスが算出されるため、

A:「32万円」とB:「24万円」になります。その差8万円！
年2回のボーナスで年収が16万円の差、つまり1か月の給料分の差が出てくるのですよ。

【残業単価】
・月給16万円の場合
法定労働時間を160時間として
160,000÷160＝時給1,000円。
残業は2.5割増しになるので、時給1250円になります。

・月給12万円の場合
120,000÷160＝時給750円。
残業単価は938円。
その差312円。

例の月40時間残業をしたとして312×40＝12,480円の差。
年収でいうと149,760円の差になり、ボーナスと合わせてなんと2か月分の収入の差になるのです！

全く同じ仕事をしているのに…です。
それが分かっていて、みなし残業制度を取り入れる企業の姿勢が納得いきません！
(というより、それが作戦なんでしょうね。節約のためにあえて)


「ボーナスが出ます！」という言葉に惑わされてはいけません。
「残業代が出ます！」という言葉に安心してはいけません。

みなし残業はあなたの給料を削っているんです！

もし今あなたが働いている会社が、みなし残業制度で、しかも残業代も出さないみたいな会社だったらもう将来性はゼロです。
あなたの将来のためにもなりません！

早いうちに「ちゃんとした企業感覚をもった会社」に転職しなくてはいけません。
リクナビNEXT などの転職サイトに登録するところから考えましょう。


みなし残業はやっぱりダメ！転職したい人はこちら

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